■令和4年12月定例会土木森林環境委員会会議録要旨
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盛土規制法に基づく規制区域指定基礎調査事業費 について
皆 川 盛土規制法に基づく規制区域指定基礎調査事業費についてお伺いしたいと思います。
大きなニュースになりました静岡県熱海市で起きました土砂災害、土石流災害を契機に 、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する盛土規制法ができました 。
これは、たしか本年5月あたりにできて、同法律は、県民の安全・安心を確保する上で大変重要であると考えられます。本県においては、既に土砂の埋立て等の規制に関する条例があり、それにより盛土等の規制を行っています。盛土規制法の法律と県条例との違いについて、どの点がどのように違うか御説明いただきたいと思います。
森林整備課長 盛土規制法は、無許可行為や命令違反等に対する罰則について、県条例による罰則の上限より高い水準に強化されている点が大きな違いとなっております。
具体的には、無許可案件などに対する罰則は、土砂条例が2年以下の懲役または100万円以下の罰金に対し、盛土規制法は、3年以下の懲役または1.000万円以下の罰金、さらに法人重科として3億円以下の罰金となっております。
その他の違いとしては、危険な盛土に対する災害防止措置の勧告や改善命令の対象が行為者だけでなく、土地所有者にまで拡大されたことなどであります。
皆 川 今の説明を聞いていると、地方自治法による罰則の限界があるのは条例のほうですね。2年以下の懲役または100万円以下の罰金ということであって、国の法律では3
年以下で1.000万円以下ということですね。
法人の場合は、県の条例ではどうにもならないのですか。国のほうは3億円まで上げられるという話ですが、県の条例では、法人についても同じですか。
森林整備課長 県の条例では、法人の重科措置もありますが、罰則については、あくまで条例のレベルを超えることができませんので、これに対して、今回、国が法律を公布したことによって、盛土規制法に違反した場合は、その行為者を罰則するだけでなく、その行為者が属している法人に対して最大3億円というかなり厳しい罰則が適用されることになります。
皆 川 盛土規制法が条例以上に抑止効果が高いことを説明していただきましたが、今回計上された予算によって、規制区域である調査対象は土砂の流出が想定される渓流の上流等と書いてありますが、規制区域指定のための基礎調査とは、どのような調査を具体的に行うのか教えていただきたいです 。
森林整備課長 基礎調査につきましては、財産権に対する規制を合理的なものにする観点から、国が示した基礎調査実施要領に基づき、地形や地質、その他の土地利用、それから災害の履歴等を調査し、盛土に伴う崖崩れや、土砂流出により災害が発生するおそれのある区域を特定するものでございます。
皆 川 3.000万円でできるんですか。 現地まで行くようなほどの予算ではないような気がするんですけれども ・・・ 。
森林整備課長 今回予定している基礎調査につきましては、既存の資料、地形図や空中写真、衛星画像等の既存のデータを効率的に活用し、机上で調査を行うことを予定しております。
必要に応じて現地調査も行いますが、基本は今申し上げましたような、今あるデータをもとに効率的に行うために必要な経費を計上しております。
皆 川 基礎調査から規制区域の指定までどのような プロセスを踏むのか、もう一回説明してください。
森林整備課長 基礎調査では関係市町村と情報の共有を図るなど、連携した調査を実施し 、この調査完了後には規制区域の案を公表することとしております。
その後、地域住民への説明や市町村からの意見などを踏まえた上で規制区域を指定し、盛土規制法の適用を開始することにしております。
皆 川 盛土崩壊によって 熱海市のような大きな災害が起こる危険があります。県民の命や財産を守るためには、早期の法による規制開始が非常に重要であると思いますので、速やかな対応をしっかりお願いいたします。
森林整備課長 委員の御指摘のとおり、速やかな規制の開始に向けて基礎調査にしっかり対応してまいりたいと考えております。