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■令和2年6月 定例会総務委員会

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甲府警察署における被疑者逃走 事案 について

皆 川 先日、甲府警察署において、逮捕した被疑者に逃走されたという新聞報道がされました。このようなことは、安全安心の一番のよりどころであります警察署での出来事なので、市民は強い不安を感じているんじゃないかと思いますが、まず、現時点でわかっている概要を教えていただきたいと思います。

 

刑事部参事官 お尋ねの案件につきましては、令和2年6月20日、甲府警察署におきまして、タクシーの無賃乗車をした詐欺事件の被疑者として逮捕した45歳の男が、取り調べの休憩中に取調べ室から敷地の外へ逃走し、 逃走から約23分後に検索中の同署員が発見し、緊急逮捕をした事案であります。

 

皆 川 被疑者に逃走されるということは、本来あってはならないことだと思いますが、そのときの状況をさらに詳しく説明してください。

 

刑事部参事官 甲府警察署3階にある取調べ室で被疑者の取り調べを実施中、昼休みの時間帯に監視員を配置して昼食と休憩をとらせていたところ、監視員のすきをついて被疑者が取調べ室の通路に設置されたドアから庁舎内を通り、1階出入り口ドアから敷地外へ逃走したというもので あります。なお、当日、動静監視という集中力を要する任務に当たっていたのは、当番明けの非番となった警察署員であり当日も引き続き勤務していました。また、取調べ室から廊下、階段に通じるドアについては、鍵がかけられていない状態でありました。

 

皆 川 前夜の当番明けの警察署員が監視に当たっていると、睡眠不足になる人は多いんでしょうかね。

 

刑事部参事官 当番明け、あるいは非番の勤務員、これを業務に当たらせるということはあります。

 

皆 川 睡眠時間だよ。

 

刑事部参事官 睡眠時間につきましては、夜間帯の取り扱い状況により異なりますけれども、通常の生活と比べると少ないことが多くあります。前日の勤務状況や体調等の健康状態に配慮することが求められていると考えております。

 

皆 川 当直明けの署員に監視役をさせるというような勤務体制。 当直明けの署員に監視させないような勤務体制を考えるということはできないでしょうかね。

 

刑事部参事官 今後は、当該警察官個人の問題として捉えるのではなく、職員の勤務状況、体調や疲労といった健康状態を考慮した幹部による任務付与のあり方、無理のない働き方など、組織全体の問題として捉え、対応を進めていきたいと考えております。

 

皆 川 被疑者に逃走されるということは、場合によっては 、県民の生活に多大な影響を与える、また、及ぼしかねないと思うんですが、本事案におきまして、県民に危険を及ぼしたというようなことが実際あったんでしょうかね。

 

刑事部参事官 逃走した被疑者は、無賃乗車をした詐欺事件の被疑者であること、凶器等を所持している事実もなかったこと、逃走から約23分という短時間で身柄を確保したこと、逃走時に何らかの罪を犯した事実もなかったことなどから、県民生活に重大な危険を及ぼすようなことはなかったものと考えております。なお、県警察では、逃走時に、県下に緊急配備を発令するとともに、可能な限りの警察官を動員して、被疑者の発見と市民の安全確保に努めたところであります。

 

皆 川 過去に県警では、日下部署において 被疑者に逃走されていますよね。今回、また逮捕被疑者に逃走されるというようなことがあり、日下部署のときの反省や教訓が生かされていないと思うんですよね。そこで、今後 、 こういうことが二度と起こらないように、発生させないためには、どうしたらいいかという再犯防止対策を考えているのでしょうか。

 

刑事部長 ただいま御指摘がございましたとおり、県警察では、平成25年に 、 現行犯逮捕した被疑者を、警察署の敷地内でパトカーからおろす際に逃走されるという事案が発生したことを受けまして、手錠の適切な使用や、被疑者を敷地から出し入れする際に多数の警戒員を配置することなどにより、再発防止に努めてきたところでございます。

こうした中で、前回とは違う対応であったとしても、今回 、再び逃走を許してしまったということは、被疑者は常に逃走の機会をうかがっているという基本的な危機意識が欠落していたものと重く受けとめております。

 今回、再び被疑者の逃走を許し、県民の皆様に不安と御心配をおかけしてし

まい、心からおわびを申し上げます。県警察では、今回の事案を受けまして、これまでに各警察署に対し、手錠や腰縄の適正な使用や、被疑者の動静監視の徹底などを指示し、再発防止に努めているところでございます。

 今後も、全ての職員において基本を徹底し、二度と逃走事案を起こさないよ

う取り組んでまいります。

 

皆 川 今、刑事部長が言いましたように、再犯防止対策を徹底して、今後二度とこういうことが起こらないように、しっかりやっていただきたいと思います。

 

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新型コロナウイルス対策に係る各会議の会議録 について

皆 川 先日の全国紙の朝刊に、全国の都道府県の新型コロナウイルス対策の本部会議と専門家会議において、本県を含む9県が議事録を作成していなかったと。しかも、本部会議も専門家会議も両方とも作成していない県は、本県を含めてたった5県だということであります。

 新型コロナウイルス対策は県民の命にかかわる重大事でありますので、報道のとおり議事録が作成されていないとするならば、議会としても見過ごすわけにはいきません。

 そこで、まず、県は議事録をなぜ作成していないのか、理由を説明していただきたいと思います。

 

政策企画グループ政策参事 新型コロナウイルスへの対応につきましては、委員御指摘のとおり、県民の命にかかわる重大事であるということは、十分認識しているところでございます。過去に経験したことのない業務に忙殺され、また、詳細な記録作成が膨大な事務量になることから、関係部署と相談をいたしまして、会議の性格を分析いたしまして、方向性を決定するものではなく、情報共有を図る会議であるとしまして、肝心な部分はしっかりと残しながら、要旨とすることといたしましたところです。

 今まで本部会議は11回、専門家会議は毎週火曜日、金曜日と開催してまいりました。県では、概要は、正式な記録として、本部会議についてはホームページに掲載をさせていただいているところでございます。県民の皆様には、そのような形で情報提供をしているところでございます。

 

 

皆 川 何も記録していないわけではなくて、要旨をまとめた議事概要があるということが、今、 わかりましたけれど、議事概要を作成するということは、会議の重要性を十分理解していると考えられますね。したがって、そういうことを理解しているのであるならば、なお、発言要旨の一字一句まで詳細に記録しておくべきではないかと思います。

そして、このことは重要なので、後世に伝えるために、しっかりと保存しておくことも必要ではないかと思います。また事務量が膨大になり、人手が追いつかないということを言っていますけれども、ほかの全国38県では、議事録があるわけでありますから、本県の事務処理能力が他県に比べて劣っているということなんでしょうかね。

 

政策企画グループ政策参事 詳細に記録を残して、適切に保存していくことが望ましいことは、十分理解をしているところでございます。

 なお、今回さまざまな協力要請を行う際に、関東近県と連絡を取り合っております。そうした中で、そのときの状況から推察 し、今発言させていただきますけれども、議事録を残していると回答した県でも、本県よりも簡略にしている県もあるということも考えられます。

 今回の事態は、新聞社の取材に対する私どもの説明不足もありまして、県民の皆様に会議の記録を何も残していないような誤解を与えてしまったことは、おわびを申し上げたいと思っております。保存期間につきまして、今後、国の基本的対処方針における歴史的な保存文書についても、考え方が示されているところでございますので、それを踏まえて今後検討してまいりたいと考えております。

 

皆 川 ほかの38県 に 議事録があるということに対してですが、それは処理する人間がいないということか。足りないということか。そのことについて 、 もう一回答えてください。

 

政策企画グループ政策参事 職員のほうは十分対応できていると思います 。 ただ経験したことのない業務ということで、そこで忙殺されるところもございます。忙殺されておりまして、そういった記録が多大な事務量ということもございました。職員については、皆、どこの県も同じような対応をしているかと思っております。

 

皆 川 新型コロナウイルス感染症の対応をしっかりと検証していくために は 、やっぱり記録をしっかり多く残していくということに価値があるんじゃないかと思います。そこで、新型コロナウイルス感染症というのは、100年に1度のものでありまして、関係する記録をしっかり引き継いでいくことで 、将来の県民の命を守り、本県の豊かさにつながるものじゃないかと思います 。この点どう考えますか。

 

政策企画グループ政策参事 委員御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症につきましては、未曽有の災害であり、歴史的な出来事として後世に残していく、後世に確実に伝えていくことが必要であると考えております。本県の議事概要につきましては、新型コロナウイルス感染症対応への検証が可能であると考えておりますが、国内外から安全で安心な山梨県として認められるようになるためにも、会議の記録につきましては、検証が確実に行えるよう工夫してまいりたいと考えております。

 

皆 川 これは県民の命にかかわることですから、大事にしてもらわないと困るんだよね。感染症はこれから第2波、第3波が起こる可能性もありますよね。それと、未知の感染症が、これから発生するということもあるので、県としては的確に対応できるように、どんなときでも適切に準備しておくことが大切じゃないかと思います。このことを常に念頭に置いて、しっかり対応していただきたいと思いますが、最後に決意のほどを、偉い人にお願いします。

 

知事政策局長 新型コロナウイルス感染症の対応には、県職員では対応したことがなく、今回の取り組みは手探りで進んでいます。 今、委員から御叱咤もいただきましたように、その一つ一つが将来の山梨県民の生命、生活、安全を守ることにつながるということを、改めて職員が しっかりと 心に刻んで、そして知事が目指します超感染症社会をつくって、豊かな山梨を築いていくために、これからも、また、御指摘にもありましたように、常に準備ということもしっかり念頭に置きながら、精いっぱい取り組んでまいりたいと考えております 。委員各位には、これからも御指導のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

山梨県議会議員 皆川いわお

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